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弁護士山下瞬の自立したい!

お役所仕事にならぬよう、お役所で働く弁護士の日々を綴ります。

政策法務研修

 先日、8月9日及び10日に、宇都宮において、政策法務研修を受講してきました。講師は、東京都のOBであり、自治体法務研究会代表を務めておられる江原勲先生であり、法定外税導入や住民訴訟など、豊富な実務経験に裏打ちされた充実した講義でした。

 先生は、法制執務のプロであるとともに、訴訟事務も担当され、争訟評価を前提とした政策法務の必要性について強調されていました。また、「国では、法によって政策を実現するという政策法務の考え方は当たり前のことなのに、政策法務をことさら強調している現状の自治体は、自立できていない。自治体においても政策法務を当たり前にしなければならない。」と、自治体職員にエールを送っておられました。

 先生の政策法務に対する情熱を目の当たりにして、私自身、「政策法務」というキーワードをファッション感覚的に使っていたことを反省する次第です。

 東京都など先進自治体とは比べ物にはなりませんが、小山市でも、少しずつ、政策法務の考え方が浸透しつつあり、国や県のお手本(「準則」といいます。)や他の自治体の条例等を引き写すのではなく、小山市なりの独自性を発揮したものをつくろうとする動きが見られます。

 結局は、例規を所管する所管課の職員さんの熱意次第なのですが(ただ、ほとんどは、法律アレルギーで、お手本どおり、横並びで満足することが多いです。)、熱意ある所管課に対しては、それに応えられるよう私もスキルを磨かなければと思った次第です。

 さて、小山市では、新聞報道もされました、防犯カメラを設置する自治体等への補助金について、具体的な手続を定める要綱を作成し、8月5日から施行しました。

 ルールの設定に関しては、個人のプライバシーとの衝突や防犯カメラによる防犯効果を疑問視する調査結果など、考慮要素の多いものでした。要綱を審査する例規審査会でも、ダメだしの嵐で、所管課の職員さんも大変だったかと思います(課長をはじめ、担当である県警から出向でこられている方や若手職員さんは、苦労されたことと思いますが、最後まで熱心に取り組まれていました。)。

 要綱の大部分は、他の先行する自治体のものを参考にさせてもらいましたが、単に防犯カメラを設置するだけで満足するのではなく、防犯パトロールや安心メールへの登録等の市の施策に協力してもらうなど、一緒になって、地域防犯力を高めていくことが必要であると考え、次の条文を規定しました。

第13条 交付決定者は、犯罪の抑止及び防犯意識の向上を目的として市が行う施策に積極的に協力するとともに、地域防犯力の向上に努めなければならない。

 江原先生も強調されておられましたが、自治体が自立していくためには、自分で試行錯誤し、小さな一歩を重ねていくことが大切ではないかと思われます。

小山市防犯カメラ設置補助金交付制度について 小山市ホームページ

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