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弁護士山下瞬の自立したい!

お役所仕事にならぬよう、お役所で働く弁護士の日々を綴ります。

職域拡大の最前線?

 私は、現在、栃木県の小山市役所で働いているのですが、私のような弁護士が自治体等で働く場合、通常、「任期付公務員」という任用形態で働いています。

 任期付公務員とは、簡単に言えば、「専門的な知識経験又は優れた識見を有する人材を行政の外部から任期を定めて採用」(「弁護士白書2015」150頁)する制度です(私がこのような人材かはひとまず置いておきます(+_+))。当該制度を採用する自治体は増加し、弁護士の公務就任への制限(旧弁護士法第30条)が撤廃されたことも併せ、自治体の中で弁護士が働くことも多くなっています。先の「弁護士白書2015」によれば、任期付公務員として中央省庁等及び地方公共団体で勤務する弁護士数は、187名となっています(2015年6月1日現在)。

 しかし、最近は、司法試験に合格しても、弁護士登録をしない、いわゆる「法曹有資格者」と呼ばれる人が増加しています。自治体でも、指定代理人制度というものを活用すれば、弁護士資格がなくても自治体の訴訟遂行の代理人となることが可能です(地方自治法153条第1項。東京都は、当該制度を積極的に活用しています。)。兼職禁止で事件を受任できない任期付公務員が、高い弁護士会費(地方では、月額7~8万円という所もあります。)を支払うメリットが感じられなければ、弁護士登録しない選択肢もあり得るのではないかと思います。

 私も、自治体から要請されなければ、登録をしなかったかもしれません。それでも、登録しているのは、弁護士という資格に対する信頼がまだ残っていること(職員の背中を押してあげるには、実は重要な要素です。)、また、「法曹有資格者」概念が拡大すれば、法曹倫理で学んだ「弁護士自治」というものが崩れてしまうのではないかと考えたからです(法曹倫理の先生は、登録費用なんて気にする必要もないビッグ・ローファームのパートナーなんですが…)。

 そんなわけで、任期付公務員は、弁護士の職域拡大の分野を言われていますが、「気付いたら、弁護士登録しない人だらけでした!」なんて結末にもなりかねないと危惧しています。

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